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ホリー

ザスパのホーム戦では,ゴール裏で叫んでいます。 本職は,小学校の教員。 中学校の免許教科は理科です。 リンゴマークのついたものが大好きです。

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2006-05-17

だんべえ

 前橋市には,「だんべえ踊り」という踊りがあります。昔の前橋音頭(?)をリニューアルして,サンバのリズムをフィーチャーした,元気のいい踊りです。「前橋まつり」では,たくさんのチームが参加し,メインストリートが巨大なステージになるほどです。

 なぜ,「だんべえ」かというと,曲の中に「そうだんべえ,そうだんべえ」という掛け声が入るからなのでしょう。あまり品がいいとはいえませんね。(^_^;)

 では,その「だんべえ」とは,何なのか。会話の中では,主に「だんべぇ」という形で使われます。
「このラーメン,うまいだんべぇ。」
「明日は木曜日だんべぇ。」
英語で言うと,"isn't it?"という感じですかね。「そうでしょう」「そうだろう」という意味ですね。

 群馬県全域で「だんべぇ」が使われるかと言うと,そんなことはありません。Horryのふるさと(群馬県北部)では,「だっぺ」となります。
「このラーメン,うんまいっぺ。」
「明日は木曜日だっぺ。」
何となく茨城弁ぽくなりますね。

 群馬弁は,標準語に近いんべ。全くなまってねぇやぃね。

2006-04-02

養蚕に関する言葉

 その昔,群馬県では養蚕が盛んでした。蚕を飼育して繭を作らせ,それから生糸を作るのです。富岡市では,官営製糸場の建物を世界遺産に登録しようという運動もおこっています。今回は,そんな養蚕に関する言葉を集めてみました。

「お子さま」
 「お子さま」とは,蚕のことです。真っ白なイモムシを「お子さま」と呼びます。養蚕農家では,2階を中心に,家の中で一番良い場所を「お子さま」の飼育に使います。蚕をとても大切にしていたのがわかると思います。

「どどめ」
 桑の実のことを指す言葉です。蚕のえさとなるのは桑の葉ですが,桑の木には,実もなります。木苺のような葡萄のような紫色の実です。子どもの頃は,口の周りを紫色に染めながら食べたものです。なぜ「どどめ」なのかというと,桑の木は根をよく張るので,畑の土が流れるのを防ぐために植えられていたのです。「土」を「止める」ので「土止め」ですね。桑畑は上州名物の雷様にも嫌われていたようで,雷が鳴ると「くわばらくわばら」というおまじないを言う人もいますね。

「ずう」
 蚕が十分に成長して繭を作る頃になると,白かった体が透き通ってきます。こうなった蚕を利根沼田地方では「ずう」と呼んでいました。「ずう」は「まぶし」と呼ばれる繭作りの場に移されます。これを「かいこあげ」と言います。「まぶし」の中で蚕は糸を吐き,繭を作るのです。

 繭ができると,養蚕の仕事は終わりです。その繭を「まぶし」からはずして売るわけです。集められた繭は大きな釜で茹でられます。しばらくすると,蚕が最初に糸を吐いたところからほぐれてきます。これを数本集めて糸を作っていくわけです。機械化された工場では,これがいくつも並んでいたんですね。工女と呼ばれる女の人が機械の操作をしていました。(詳細は「ああ野麦峠」をご覧下さい)
 うちの実家の近所には,自宅でこの作業をしているおばあさんがいました。おばあさんは,繭の中から出てくる茹で上がった蛹を食べていました。おいしいのでしょうか?

 今群馬県では,アジア各地の生糸が安価で出回るために,養蚕が衰退しています。桑畑も少なくなってしまいました。今日聞いた話では,「桑畑がなくなってから,風で舞い上がる土ぼこりが多くなった。」ということでした。こんなところにも「どどめ」は役立っていたのですね。

2006-02-06

「はあ」

 勝手に始めた群馬弁講座。今回は,「はあ」です。

 仕事も一段落し「さあ,帰ろうか!」と誘う時などに出てくるのが「はあ」です。「はあ,けえるんべ。」一部では「はあ,けえんべ。」と言うこともあります。この場合の「はあ」は,『そろそろ』と言い換えることができますね。

 また「はあ,できたんかい。」「はあ,こんな時間だ。」という使い方もあります。この場合は『もう』という意味になります。

 語源は『はや』だと思います。「仰げば尊し」に出てきますよね。「♪はや~」(これ以上書くと著作権法に引っかかるかな?)

 方言は,都(京都)から離れた方が難しい言葉になるような気がします。これは,昔の言葉が残っていると考えることはできないでしょうか。今ほど情報手段の発達していなかった時代には,言葉が広まるのに時間がかかったはずです。都で生まれた言葉が広まるうちに変化していったのではないでしょうか。

 群馬弁は,「空っ風」の影響が大きい言葉です。赤城から吹き降ろす赤城颪(おろし)の中で,畑仕事をしながらコミュニケーションをとるには,優しく言ったって聞こえません。語尾をはっきり「~だんべ!」と言わなければならなかったのでしょう。

 それに対して,優しい印象を受ける東北弁は,雪に閉ざされた家の中で話す言葉なんですね。寒い冬に囲炉裏を囲んで話すには,群馬弁は強すぎます。きっと大喧嘩になるでしょう。群馬県人同士の方言の会話を聞いた他県の方が,喧嘩をしていると勘違いしたというのは有名な話ですよね。

2006-02-05

「おおか」と「なから」

 群馬弁は,意外にわかりやすい方言だと思う。しかし,程度を表す「おおか」や「なから」は,他県の方にはわかりにくいのではないだろうか。

 「おおか」は「おおか腹がいてえんで,学校を早引きしたんさ。」のように使う。標準語に訳すと「あまりにも」「たいへん」「とても」というニュアンスだろうか。語源は「多く」だと思うが定かではない。ただ単に強調するのではなく,行き過ぎているという意識が強い。だから,「あの店にいた女の子,おおかきれいだったんで,声もかけられなかったよ。」となる。

 「なから」は,漢字で書くと「中ら」なのだろうか。「今日はなからいい天気だいね。」や「このラーメンはなからうまいね。」という感じで使う。「なから」を使うと,「けっこう」「本当に」というニュアンスになる。単に「このラーメンはうまい。」と言うよりは,感心している気持ちを表現できていると感じるのである。

 とは言うものの,今の若者はこんな言葉は使わないだろう。この表現って,上州人の繊細さを表すようで好きなんだけどな。


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