小学校の外国語活動(仮称)って
新しい小学校学習指導要領には,5・6年生に「外国語活動(仮称)」の時間が新設されます。「外国語活動」ってどんなことをするのでしょうか。
要するに,外国語を使って活動をするわけですよね。ここでは「英語」という言葉は使われていませんし,文部科学省の資料では,ハングルなどの例示もあります。
日本で欧米人と思われる人に話しかける時に,多くの人は,とりあえず英語を使いますよね。それで,英語圏の人でない場合は,双方がたどたどしい英語で会話を進めるわけです。
Horryがイタリアに住んでいた時に,有名な観光地に買い物に行くと,イタリア人の店員が英語で話しかけてきました。Horryは,イタリア語で話しています。イタリア人の英語と日本人のイタリア語で会話が成立していたのです。
大学時代に,マージャンをすることを,「中国語の勉強」と称していました。まさか,小学校の外国語活動でマージャンをするわけにはいかないんでしょうけどね。
外国人とコミュニケーションできる日本人を育成するなら,体験を通して外国語に触れさせることは大事なことでしょう。でも,5年生からでは,ネイティブに近い発音や,ネイティブの言葉を聴く力は身に付かないのではないでしょうか。遅いような気がします。
ですから,中学校以上の学校で外国語を学ぶ意欲付けという位置づけになるのではないかと思います。
小学校が変わっても,中学校の英語は変わらないでしょう。中学校の英語を変えるためには高校入試を変えなければなりません。もちろん,高等学校の英語を変えるには,大学入試の英語を変える必要があるのは言うまでもありません。
フィレンツェのフェラガモの店で,すごい女性を見ました。どう見ても革靴の専門店なのに,
「ニケの靴は置いてないの。」
と日本語で店員に質問しています。「ニケ?そんなブランドがあったっけ?」と思ってよくよく聞いてみると,どうやらNIKE(ナイキ)のことを言っているようでした。
結局,店に一人いた日本人の店員が対応に出てきましたが,外国人相手だろうがナンだろうが,日本語だけで,自分の主張を伝えようという意欲は,しっかり身に付けている女性でした。
この女性のことを,決して,ばかにしているのではありません。今の日本人にかけているものは,外国語が分からなくても,何とか理解し合おうという気持ちではないでしょうか。
「外国語活動」の時間が,英語の文法や単語を教える時間にだけはなって欲しくないと思います。でも,中学校入試を控えている子どもたちは,受験英語の勉強になるんでしょうけどね。
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