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2006-04-08

地球縦断トンネル

 今夜のエンタスペシャルに出ていた芸人さんが,ブラジルまで穴を掘るというようなネタをやっていました。そんなことはできるはずはないのですが,少し考えてみました。

 まず,どうやって掘るかという問題です。人間がスコップで掘っていたのでは,まず不可能です。1日5m掘るのは大変ですし,掘り進んだ時に出てくる槌をどうやって運び出すのかという問題もあります。

 そこで,最新のトンネル掘りの巨大機械を使うことにします。これは,全長数十mの円筒形で,先端に回転するドリルがついていて,岩盤を削りながら進みます。出てきた岩や土は内部のベルトコンベアで後方に排出されます。まるでミミズの生態そのものですね。さらに,掘ったトンネルが崩れないように,円筒形のコンクリートパネルを設置しながら進んでいくので,通った後はトンネルが出来上がっているというわけです。

 もう一つ考えたのは,何日(何年)かかるかということです。トンネル掘りの機械が,1日に100m掘れるとしましょう。(計算を簡単にするために,きりのいい数字にしてみました。)土を運び出す時間は考えていません。地球の直径は約12700kmですから,同じペースで掘れたとしても,127000日かかります。これは,およそ350年ということになります。10倍の速さ(1日1km)で掘れたとしても35年かかりますね。

 さて,こんなに長い間に巨費を投じて作ることができたとしても,次の問題が出てきます。最初の難関は3ヶ月ほどで現れます。このころ,トンネルは地殻を掘りぬき,マントルに到達します。マントルは,岩が対流しているのです。流れる岩。溶岩のようなものなのでしょうか。どちらにしろ,トンネルが流れてしまってはいけませんね。掘っている間にずれていってしまいますから。流れる岩に負けないトンネルの隔壁を作らなければなりませんね。

 さらに,温度はどんどん上昇するでしょう。また,掘り出した土はものすごい量になってしまいます。全部一箇所に積んでいったら,富士山より高くなってしまうかも・・・。

 マントルを無事に通過したトンネルは,150年後くらいに核に到達します。ここでは,高温と高圧のために金属が液体の状態で存在するのだそうです。それに負けないトンネル掘りの機械ができるのでしょうか。鋼鉄だって溶けてしまいます。コンクリートで隔壁を作っても溶けてしまいますね。どうしましょう。

 仮にそんな材質が見つかり,無事に核を通過したとします。さらに地球の中心に近づいていくと,今度は硬い金属の固体でできた内核があると考えられています。ここを通るのも大変ですね。何で掘りましょう。

 さて,無事に全てのトンネルを掘り終わって,出た先は・・・。ブラジルに着けばいいけど,大西洋の海底ということもありますよね。あとで,地球儀で調べて見なければ・・・。

 全長12700kmのトンネルが完成したとして,何に乗って通過しましょうか。まっすぐですが,ものすごい熱さです。しかも,そんなに長いトンネルの換気は不可能です。ロケットにでも乗って行きますか。

 もしも空気の抵抗を考えなければ,燃料を使わずに,地球の裏側まで行くことができます。しかも,ブレーキも要りません。出発は地球の中心に向かって落ちていけばいいのです。中心を通過した乗り物は,今度は地球の中心に向かって引っ張られながら減速して行き,向こうの地表面で速さが0になるのです。ちょうど,行ったり来たりするブランコと同じ様な感じですね。ただし,乗っている人はずっと無重量状態になるんですけどね。

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