浦島太郎とアインシュタイン
助けた亀に連れられて竜宮城に行ったのは,あの有名な浦島太郎ですね。彼は数日を竜宮城で過ごした後ふるさとに戻ると,数百年の時が流れていたというお話です。
さて,アインシュタインといえば,相対性理論で有名な科学者ですね。このアインシュタインよりも先に,相対性理論を体験した人物こそ,この浦島太郎なのです。
一般相対性理論だったか特殊相対性理論だったか忘れましたが,運動している物では,それぞれ違う時間が流れているというような考え方があったと思います。この運動の速さが光速に近づくほど,その物の時間の流れが遅くなるというものです。ちなみに,光速に近い速さで宇宙を旅した時,地球上で暮らす人に比べて時間がゆっくり流れるので,年を取らないということになります。この現象を「ウラシマ効果」と言います。
さて,浦島太郎は亀(UFO?)に乗って竜宮城に行くわけです。そこでは,地上とまったく違う時間が流れていたわけですね。亀が光速に近い速さで移動したのでしょうか?いずれにしろ,浦島太郎はアインシュタインが理論として体系化するずっと以前に,時間の流れが違うことがあるというのを身をもって証明した人物なのです。
冗談はさておき,昔話の作者(昔の人)は,とてつもないことを考え付くものだと思います。時間という概念が確立されているとも思えないような時代に,異なる地点の時間の流れ方が違うという発想をすることのできる人なのです。
科学の進んだ現代,空間を捻じ曲げてジャンプする「ワープ航法」(宇宙戦艦ヤマトがイスカンダルへの旅で使用する方法)は不可能であるという説が出されました。作者の松本先生は,様々な資料を参考にしてワープ航法を登場させたのでしょうが,当時は可能であると考えられていました。それが,科学の進歩と共に不可能だといわれるのです。浦島太郎の夢物語が,科学の進歩によってありえる事となったのとは対照的です。
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