卒業式の式場を美しく飾っていた花。職場の殺風景な机の上を可憐に飾る花。そんな花を眺めていたら,少しかわいそうに見えてきました。
地球上の生物は,自分の遺伝子を後世に引き継ぐために,さまざまな進化を遂げてきました。メスをひきつけるために,派手な姿になったり,きれいな声で鳴いたり・・・。植物も,虫や風などを巧みに利用しています。受粉を助ける虫を呼ぶために進化してきた花を,私たちは美しいと感じ,より美しくするために品種改良してきました。
種子を作るために発達した花を,種子を作る大事な時期に切り取って,花瓶に挿してしまうのが人間なのです。切られた花は,種子を作ることはできません。人間はなんて身勝手なのでしょう。
人間が栽培されるほうだとしたらどうでしょう。立派に成長して,いざ結婚!という時に別の場所に移され,隔離されてしまうとしたら・・・。考えただけでも恐ろしいですね。
美しいがために利用されてしまう花たちを,せめて精一杯愛でてあげることにしますかね。